2025年6月21日(土)、青空の広がる南房総の地にて、経営者・エグゼクティブを対象とした「エベレスト登頂シミュレーション」体験会を開催しました。
会場は、300年の歴史をもつ古民家を改装した研修・リトリート施設「南総学舎」。都会の喧騒から離れたこの静かな環境で、参加者の皆様は、組織の本質とチームの在り方を問い直す1日を過ごしました。


エベレスト登山シミュレーションとは?
ハーバード・ビジネス・スクールのAmy Edmondson教授とMichael A. Roberto氏によって開発された、Mount Everest Leadership and Team Simulation は、極限状況下におけるリーダーシップやチーム意思決定を体感的に学ぶことができるプログラムです。参加者は登山チームの一員としてそれぞれ異なる役割を担い、限られた情報と資源の中で、個人およびチームとして複雑な意思決定を重ねていきます。
シミュレーション後には、個人・チームそれぞれのパフォーマンスが数値化され、振り返りと内省を通じて、実務に生かせる深い学びが得られる内容です。
当日の流れと参加者の声(一部)
当日は午前11時に集合し、300年の歴史を持つ古民家を改装したリトリート施設「南総学舎」の落ち着いた空間でオリエンテーションを行いました。冒頭では、主催であるシフトビジョン社および南総学舎の紹介の後、参加者同士の自己紹介を実施。和やかな雰囲気の中でスタートしました。
ファシリテーターは、多くの経営層と対話の場をつくってきたシフトビジョン会長の大滝令嗣が担当しました。
昼食を挟んだ午後は、いよいよシミュレーション本編へ。
参加者はエベレスト登頂を目指す登山隊の一員として、それぞれ異なる専門性を持つ役割を担い、限られた資源・体力・情報の中での意思決定に臨みました。
シフトビジョンが提供する「エベレスト登頂シミュレーション」では、屋外の自然環境を活かしながら、実際に山道を歩いて各キャンプ地点へと移動していただきます。

第1キャンプにて。体力にも心にもまだ余裕のある序盤戦。
登頂を成功させるには、チーム内での情報共有・対話・判断の統合が不可欠です。
ゲームが進行するにつれて、感情的対立が生まれる場面や一部の意見が優先される瞬間、あるいは目的の共有が曖昧になる状況など、現実の組織に通じるチーム課題が浮かび上がってきました。
最終的には、全員での登頂は叶わず。。その結果、参加者からは次のような気づきの声が上がりました。
「振り返ってみると、“誰が正しかったか”ではなく、“なぜ話し合えなかったのか”が問われていたように感じます。立場や経験によって見ている情報が違うのに、それをすり合わせる対話が十分ではありませんでした。」
「最初は丁寧に情報共有していたのに、時間が経つにつれて“慣れ”が生まれ、やり取りがどこか雑になっていました。状況が変化しているのに、それに対する意思決定の軸を確認し直すことなく進んでしまったのは大きな反省です。」
「“これで大丈夫だろう”という空気が出てきて、誰も立ち止まって問い直さなくなっていた。今思えば、そこにチームとしての過信がありました。」


エベレスト登頂シミュレーションを経営チームで体験することにどんな意味があるのか?
- 共通する“見えにくい経営チームの構造的課題”に気づく
・遠慮や上下関係が率直な対話を妨げていないか?
・情報共有や意思決定のプロセスに“偏り”がないか? - シミュレーションで浮かび上がる“自社の課題”の明確化
・なぜ発言がためらわれたのか?誰が議論を支配していたのか?
・普段の会議体やリーダーシップのあり方につながる課題が可視化される - 経営チームに必要な「真の対話」を考える
・経営チームにとって“対立”や“情報の非対称性”は当たり前
・問われるのは、それを乗り越えて「チームとしての意思決定」ができるか
今後の展開について
今回の体験会では、経営層を中心に10名が参加し、プログラム終了後には「自組織でも導入したい」といった声も数多くいただきました。今後もシフトビジョンでは、組織の意思決定力を高め、信頼と対話に基づく経営 「Top Team」の形成を支援するプログラムとして、エベレスト登頂シミュレーションを継続的に展開してまいります。
ご興味のある企業様・ご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。