2025年2月14日、「海外のトップタレントに振り向いてもらう会社に変わるには?」をテーマに、海外 × 人的資本セミナー 第2回が開催されました。本セミナーでは、日本企業がグローバル人材の採用・活用をどのように進めていくべきかについて、多角的な議論が行われました。
セミナー概要
本セミナーでは、海外事業展開における採用・モチベーション向上策・リテンション(定着)に関する課題を掘り下げました。
また、元富士通アジア社長の宇野幹彦氏を招き、実際の経験を交えたパネルディスカッションを実施。参加者からは「新たな視点や具体的な施策のヒントを得られた」との声が多数寄せられました。
セミナーの主なポイント
オープニングトーク(CDI芳賀氏、シフトビジョン大滝氏)
(1)日本企業のグローバル化の現状

- グローバル 1.0(⽇本主導)から 2.0(現地の⾃律化)への移⾏に向き合う企業が増える
- しかし、3.0(完グローバル拠点全体での最適化)に進んでいる企業は少数派で、多くの企業では、国や事業ごとに 1.0 と 2.0 の状態が混在
- 本セミナーでは、「グローバル化」の視点から、特にグローバル 2.0(現地の⾃律化)における採⽤とリテンションの課題について取り上げる
(2)グローバル人材の採用課題〜データから見る現状〜

- ⽇本企業は現地での優秀な⼈材の採⽤・定着に苦戦
- かつての「ジャパン・プレミアム(⽇本企業の魅⼒)」は低下し、海外のトップ⼈材が⽇本をキャリアの選択肢として⾒なくなっているのが現状
- アジアのホワイトカラー層を対象とした調査でも、⽇本企業の就職⼈気が年々低下する⼀⽅で、地元企業の魅⼒が増しており、優秀な⼈材が地場企業を選ぶ傾向が強まっている
パネルディスカッション「海外事業展開を加速させるために必要な⼈材・組織施策とは︖」
日本企業の海外拠点の課題と対策
- 駐在員の課題
本社目線での業務進行 → 現地での経験を重ねると本社批判に転じがち
短い任期(3〜5年) → ノウハウが蓄積されにくい
現地での後任者育成が十分に行われていない - 日本企業で働く際の主な障害
言語の壁(日本語を求められるが、ビジネス能力と直結しない)
閉鎖的な企業文化(現地スタッフが意思決定に関与しにくい)
限定的な昇進機会(拠点規模が小さく、キャリアパスが限られる) - 課題への対応策
✅ 本社と現地スタッフの意思決定の透明化
重要な会議に現地スタッフを参加させ、情報共有を強化
✅ 駐在員は現地での後継者育成のミッションを担う
「現地スタッフへ引き継ぐ」をミッション化し、業務の明確化と計画的な引き継ぎを実施
✅ 経営トップのグローバル化へのコミットメント
現地リーダーを積極登用し、本社との連携を強化 - 現地人材のリテンションと組織力向上
✅ 「リテンション」より「組織力や組織の持続可能性」を重視
✅ 組織を標準化・システム化し、継続的な成長を促進
✅ 優秀な人材には特別な処遇やキャリアパス(他国拠点・本社異動など)を用意しリテンションを図る
✅ 現地スタッフ全体のエンゲージメント向上を意識する
詳細のセミナー実施報告レポートや具体的な施策についてのご相談・お問い合わせはこちらまで
また、随時、セミナーや勉強会を企画して参ります。ご期待ください。